しばらくもやもやもしていた、私の好きな樹の一つでもあるこの方のことがどうやら立ち位置について決着していたようです。
最初にこの樹のことを知ったとき、「モンゴリナラ」と呼ばれていました。
今は大分樹高が高くなったけれど、以前は下の枝が解説の方の手に届く位置だったと思います。
観察会プロローグの場所で紹介があって「分類上はっきりしない謎の樹。中国・モンゴル地方にあるのと同じ樹ではと言われているモンゴリナラ。瀬戸の人は昔、この葉っぱを柏餅に漬かっていました。」と説明がありました。
確かにカシワにそっくり。
観察会で時折観察会終了後「茶屋」が開催されてお茶やリョウブご飯のおにぎり、そして、この葉っぱを使った「モンゴリナラ餅」が出されて頂いたことがありますよ。
まだ初夏くらいの頃の画像かな?
この樹の新緑の頃の葉の色はすっきりしたエメラルドグリーンのような何とも言えない綺麗な色であることが言われていました。
落ち葉も良く拾って、本なんかに挟んだりしていたので、当時の頃買った本の中にはまだ残っているかもね。
稚樹。海上の森で。ドングリから芽生えたのだね。
海上の森にあるにはあるけれど普段歩く場所にはあまりなくて、ドングリを拾う機会も少なかったかな。
海上の森よりも、少し離れた位置にある湿地のある場所や、または愛知県陶磁器史料館のあるところに多くありました。
万博の主会場に結果なった(既存の施設でという代替案提示などの元)、愛・地球博記念公園(元は青少年公園)にも多くあるはずです。
この樹は瀬戸市や尾張旭市あたりに多いけれど、新城市は中宇利にも見られる。この画像はそこのです。「愛知県樹木誌」小林元男(2012年)によれば、尾張と西三河、そして新城、豊川、豊橋にも自生が見られるみたいですね。
こちらは海上の森近くの私が通っていた高校・短期大学(今は無い)敷地内のもの。私が通っていた学校はこの樹が多かったんですね。
そんなこんなで、若かった頃の観察会で色々親しみ、母校にも沢山あることが分かり、様々な思い出がその仮称「モンゴリナラ」と共にあったので、どうしてもこの樹の名前として出てくるのは「モンゴリナラ」が先にあって、愛着が深い物だったのです。
何となく瀬戸のこの樹が中国大陸にあるものと同じかも、と思うのもワクワクする感じがしましたね。
ところが、、
豊橋に来て、豊橋自然史博物館で植物資料整理ボランティアを始めていた頃、お世話になった学芸員Sさんの話では、「中国の物とは違う物であることがはっきりしている。(なのにその名前で呼ばれるのは)気持ち悪いからどうにかしてくれ、と言われているんですよ。」と家人といる時話していて、「そうなんだ?」と思ったのでした。
・・・やがて、、、
どうやらモンゴリナラ→フモトミズナラ、と呼ばれるようになり、ミズナラの変種らしい、、という話を聞くようになりました。
ミズナラも好きだけれどね。
ミズナラ(五色ヶ原の森)
ミズナラ(五色ヶ原の森)
ミズナラ(段戸裏谷)
ただ、葉っぱの鋸歯がミズナラの方が鋭くて、モンゴリ、、いやフモトミズナラの方は緩やかなんですよね。
それに次の記事でリンクの中に画像がありますが、ドングリミズナラよりも丸っこいのですがね。
一方でコナラの変種説もあったようで・・・。
コナラ(岩屋緑地)
うううううむ・・・。
時折コナラの葉っぱもそれっぽい鋸歯の物あるけれど、ドングリはちょっと違うしなぁ・・・。
やがてモンゴリナラとフモトミズナラの種名併記、フモトミズナラと呼ばれることもある、などし始め、徐々にフモトミズナラの名称の方がトレンドになった感じ?になってきました。
そんなわけで自ブログなどにもそちらの名前の方を記載するようにはなったけれど、前の名前の愛着が捨てがたくて、(元モンゴリナラ)という感じで併記していたのでした。
続きます。