もり~ゆ 野巡りの日々、第3章

身近な場所を始め、自然のことなどを書いていきます。

賢治さんの思うところの「本当の幸い」とは? 2

さて、周りの人の幸いのために働く、ということ、

これは命を投げ出さなくても出来ることが沢山あると思うのです。

それに、自分も大事にしないと他者を大事には出来ない。

自分や、増して家族を犠牲にして行うのはあまりおすすめは出来ないと思うのです。

 

そう、利他のために働くこと、はいっぱいあるよね。

 

例えば、

今のコロナ禍の中で、患者さんの治療に懸命に当たっている医療従事者の方などはそれに当たるでしょう、

障害福祉の分野で、仕事として、またはボランティアとして関わり続けている方も見えます。

親の子どもへの愛情は、無償のものであるし(そうでないケースもあったりしますが)。

また、人以外の声なき生きもののため、自然界のために働きかける人も沢山います。

 

自分のためではなくて、他の人や、人以外の生きものや自然のために尽力すること、これは賢治さんの作品のメッセージに叶う物ではないかな、と思ったりもします。

「世の中全体が良くならなければ、個人の幸せは成り立たない」

とは賢治さんが生前言っていた言葉だそうです。

 

しかし、その行動の中に、「自分は良いことをやっているんだ」「良い人間だと思われたい」という願望が入ったりするならば、、まあ、全くない人はいないかも知れませんが、それが強かったりすれば、それは虚栄という名の下に支配されてしまうものなのではないでしょうか?

さながら、「土神と狐」の狐のように(葛藤はしていた)、または、「貝の火」の子ウサギ・ホモイのように、もっと格下げになっちゃうなら鳥箱先生のように、かも。

 

それから、

近年は「自分を大切に」することは勿論悪いことではないのですが、「自分の一時の心地よさや保身、満足」を優先させるあまりに、他者や周りへの思いやりや誠実な対処を怠ったりしている風潮があったりはしないでしょうか?

コロナ禍での自粛の中、楽しみにしていた飲み会や宴会が制約されるのが嫌だからと、マスク無しで会食を続けてしまったりとか(悪くすると感染に繋がる)、

自然の中でのバーベキューは心地よいからと楽しんだのは良いけれど、使った炭をそのまま外に捨てたり、酷いとバーベキュー用品をそのまま捨てていって片付けずに去っていったり→自然に大迷惑をかける、など。

こんなことをしていれば、世の中全体は良くならない。

自分と周りだけ良ければ、な世界は悲しいですね。

 

「本当の幸い」

他の者のために大小は問わなくても自ら働きかける人が多くなる世の中になること、

なのではないかな、と。

賢治さんのそれぞれの作品での「自己犠牲」の受け止めは、他者のために貴方も命を差し出せ、というのではなく、自分自身が出来ることを相手に、と言うことなのだと思います(自己犠牲の定義は捧げるものとしては労力とか、時間も意味するようです)。

正に澤口たまみさんの解説にあるように、皆がそれぞれ心の中に、他者を曇りなく思うことの出来る「貝の火」を持ち続け、時々問いかけ、行動出来れば良いなぁ、と思います。

賢治さんの「雨ニモマケズ」の中にも、「自分を勘定に入れずに」とありますね。

 

(と、ここまでえらそうに書いて、自分はどうなんだ;;という話に、汗;)

いろいろ綴ってみましたが、上手く書ききれませんね。

 

さて終盤で出てきた「雨ニモマケズ」。次回はこれについて再度もうちょい書いてみようかと思っています。

 

追記(後から色々思い浮かぶ)

思うに・・・。

賢治さん自身の言葉で「自己犠牲」というのは見ていないような・・・。

物語で仏教の教えとしてのお話しとか、主人公のセリフ(ジョバンニの「本当の幸いのためならあの蠍のように何遍だって焼かれてもかまわない」など、)にあったりしますが、

某SFアニメプロデューサーの様に自己犠牲云々語ったり、「君は愛する者のために死ねるか」などとは語ってないよね;

それに、

私が通っていた高校は、カトリックのミッションスクールでしたが、そこで良く聞いた言葉は、

「奉仕の精神」

「献身の心」

でしたね。

どちらかと言えば物語の根底に流れるテーマはこちらの方がしっくり来る気がします。

*そうそう某アニメのもう一人の原作者とされた方の別のアニメ映画で

「信じられる本当の友達になら、本当の男になら、目でも心臓でもくれてやる」

と言うのがあったではないですか!!あんな風に言われたら、逆に感動して「死む~~」になってしまうよ(脇道にそれているが;)。

「自己犠牲」というと嫌々、無理ムリ、他人のために我慢をせよ、みたいなイメージになってしまいますが、前の2つの言葉なら受け入れられやすいですよね。

賢治さん自身も読者に押しつけのようには語っていないと思う。

そして何度も書いていますが、たまみさんが書かれたように自分の命も、相手の命と同じく大切です。

 

思い出した、、学校の体育館だったかな、で、映画「塩狩峠」見たことあったのを。

あ、あれは、、うわあああああ、、、でした;