もり~ゆ 野巡りの日々、第3章

身近な場所を始め、自然のことなどを書いていきます。

宮沢賢治作品の劇を観に。

今日は実は宮沢賢治作品「銀河鉄道の夜」がミュージカル上演されると知り、チケット購入して観に行ったのでした。

「新釈 銀河鉄道の夜

主催AMS(Amano Musical Studio)

豊橋にあるミュージカル教室です。

 

出演の主役・脇役の子ども達、そして大人の演技者さんの歌や演技、ダンス素晴らしかったです。

「新釈」としてあるように、オリジナルの原作とは少し趣向が違っています。

劇独自のキャラクターも出てきます。

 

感想ですが、、うう~~ん素晴らしかったですが、やはり少し違う物になってしまったかなぁ・・・。

ジョバンニがちょっとひねくれ少年になってしまった;原作は健気ですが。またおねえちゃんキツイですね(苦笑;)弟へのだめ出し可愛そう;

物語の主となるカムパネルラとの友情も、お互いが素直になれなかった自分の気持ちを相手に向き合って伝える、みたいな部分がクローズアップされていました。

氷河で沈んだ船に乗っていた女の子とカムパネルラとの仲に嫉妬みたいな気持ちを抱く場面、そう膨らませましたか。

原作では「鳥を捕る人」が彦星に変わっていました。

脚本では、原作にある相手のために自らを投げ出す「自己犠牲」の部分を綺麗にカットしたとあり、、でもこれの部分もあるからこの物語の奥行きがあるのではないのかなぁ。

「本当の幸い」の意味、自分が笑顔で、というより原作はもっと賢治の宗教観も含んだ物であると思うから。命を投げ出すまででもなくても、他者のために献身する、みたいな所が強いですね。

「双子の星」も一部の傷を負った蠍を介抱するお話しがあってこそ、2部の彗星とのやりとりあたりも生きるのよね。

とはいえ、この部分、あまり美化しすぎるのも伝え方としては気になる部分ではあるもの・・・。→澤口たまみさんの本の所でここは詳しく書くことにしましょう。

 

それと劇でメッセンジャーとして「賢治さん」が登場しますが、、賢治さんらしからぬ達観さが;賢治さんは実のところ、不器用な人だっただなす(多分間違ってる東北弁;)。多分に不器用さにあがきつつ、みんなの幸いのために進もうとした人だったのだから。

 

などと色々書いてしまったけれど、賢治さん作品の解釈はそれぞれな面もあるのだろうし、1年間の練習の成果は見事でした。

幕が下りるとき、観客に手を振る演技者さん達、でも閉まる瞬間はいつくばって手を振るのは子ども達ならではですね(^^)。

牛乳屋のおかみさんが三河弁でしゃべっとるだかん(笑)。

星めぐりの歌」が出てきたときは嬉しかったですね~。思わず小声で口ずさんでしまいました。「雨ニモマケズ」を歌で綴る当たりも良かったです!

 

久しぶりの劇鑑賞でした。

 

*ただ、、お客一杯で、席の間隔開けているかと思ったらそうではなくて密だったのは怖いです~~~;;;帰りに薬局で消毒液スプレー買い、コートやジーンズ(雨だったので)裾にかけ、帰宅後は即着替えて洗濯機の中へ放り込み、コートは玄関先でかけて中に入れないようにしています;;勿論マスクは劇中はしていて外しませんでしたよ!!

しばらくはやはり劇などは控えるか、対策の方法細かく確認して決めた方が良いですね;勿論主催サイドで検温や消毒はしてくださっていましたよ。

 

昔、賢治さん関連の劇を観に行ったことがかつてあって、

それは劇団うりんこさんによる「宮沢賢治大運動会」というもの。

当時白川公園名古屋市)に大きなテントを設置して、その中での上演でした。

賢治さん作品のオノマトペも駆使してなかなか面白かった思い出があります。

 

銀河鉄道の夜

原作テイストに忠実だったのがアニメ映画作品(ますむらひろし作画:よって主役は猫の姿なんですが)。こちらもDVDレンタルなど出来る機会ありましたら、是非。

 

今回のミュージカルで初めて賢治作品に触れた方が見えましたら、是非とも原作も読んでみてください。