もり~ゆ 野巡りの日々、第3章

身近な場所を始め、自然のことなどを書いていきます。

出会って30年となって思うこと(感謝の気持ち)

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2021年11月28日の日曜日で、海上の森を知ってから30年目となりました。

この日、書籍「海上の森の詩」にも当時写真を提供された、そして豊橋に来てから時折お会いすることもあるいがりまさしさんが海上の森で撮影のワークショップを開催されました。

いつかは私も参加してみたいですね。

 

それにしても、この森を知ってから早30年・・・。

眞子さんの育った年月と一緒、「おかえりモネ」菅波先生を演じた坂口健太郎さんの年齢分、ということになりますね。

こんな数字を言ったり書いたりするなんて思わなかったなぁ・・・。

 

子どもの頃からよくは知らないでいても、自然のことは好きでした。ぼ~っと景色を眺めて過ごしていたい子どもでしたが、主体的に関わることはあまりなかったと言えます。受けた学科も生物系ではなくて文系でした。

高校生の頃、野鳥の写真歳時記の刊行に関心を持って集め出して(当時の高校生としては奇特な存在;)探鳥会などに学生の頃一時期参加、やがて就職などで遠ざかって数年した頃、当時の実家の地域のコミュニティー新聞にこの森と観察会案内、迫っていた開発計画=万博問題、のことを読んで知って参加したのが始まりです。

今もなかなか無いかも知れない、自然観察会と自然保護活動、いわゆる市民活動を共に行っていた主催でした。

 

初の参加が今の様な黄葉の綺麗な森の頃。団地近くにこんなに深い森があったのかと驚いたことを覚えています。でもよくよく考えれば、自分はこの森がすぐ裏にあった高校~短大(当時)に5年間通っていたんですよね。学生の頃、自然を間近に感じられる学校内だったことに嬉しかったのも覚えている。その時から繋がっていたのかな。

秋の参加から少し間が開いて次に来たのが4月後半の新緑が少し進んだ頃。この時期の森が離れられなくなった事となった要因となりました。あの新緑が心に染み渡った感じとでも言うのかな。

何よりも、始めて出会って知った生き物たち、テレビの自然観連番組や書籍でしか見たことの無かった生き物たちに実際に出会った経験があったことも思い返せば大きいですね。

当時世界的な環境問題が意識し出され、愛知県も各方面での開発や環境問題についての活動が起こり、時に共通の場でのブース出店等での活動も始まった頃でした。

こんな綺麗な場所が開発で失われるのは止めたいし、環境を守るお手伝いたいと思ったので、この森での観察会参加や、他の活動場所への参加もし始めた頃です。

バブル期の享楽と他者を出し抜く世界ではなくて、こうした活動で手伝うことが自分には合っているのでは、と思った頃でした。生き方を捉え治した時期だったとも言えます。

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それ以上に影響を受けたのは、当時の観察会で教えていただいた数々のことでした。単なる生きものや自然の知識だけではなく、それぞれの生きものの生き方はどんなふうなのか、その歴史、そして人はどうその自然と向き合うべきなのか、それが大きかったです。

そこにある木々の名前、虫たちの活動と暮らし方、虫と植物の繋がり、人々がどのように関わってきたか、森全体としての働きなど。水の綺麗さと住める虫たちの違いと変遷など。

この森以外の場所へもご一緒させていただけたことで、地域によっての季節の進み方(これは今生物暦を続けている原動力になっているのかも)、地域や標高によるその地の植生の違いなども知ることができました。

そして、自然を守るってどんなことなのかも。人の都合ではないあり方について考えることも(現実はなかなかそうはならないのですが)。

生きものや自然を心から好きで愛おしいからこそ知りたい、守りたいというシンプルな想いが根底に流れていた所でした。

 

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時を経て、関わりの中では順風の日々から、歯車が上手くいかなくなった辛い日々もあり、それぞれが離れることとなって一時期はその頃の資料が見れない時期もあったこともありました。

そして受けた教えのそれぞれがすべてとか絶対ではないことも、その後の自然に関わる歩みで感じてはいます。

しかし、それでも、、、、、。

 

この森で、そして当時の観察会での出会いがなければ、今の私ではなかった。

これだけは言えます。

もしかしたら今とは全然違う生き方をいていたかもしれません。

ここで出会いがあったからこそ、今も身近な近所で、東三河の行ける場所で、時に遠い場所へ、そして今もこの森へ出かけ、自然を感じ、時に悩んだりしている自分がいます。自分なりの関わりを模索していたりします。

下手ながら個人で通信を描き続けたりもしています。

身近な場所での自然の様子を記録したり、調査に協力もしたりしています。

これまでの他の観察会などの参加で、これほどの影響力を受けることはありませんでした。あるとすれば、20年前に参加した新穂高での山登りの観察会になるでしょう(そちらももう少し続けられていれば同じかそれ以上の経験になったかも知れません)。

海上の森とは、今は数ある観察会等の中の一つに今参加するか、個人で出かけるという関わりでしか今は無いですが。

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時折しか見ていなかったあの頃の資料をまた読み返したいとも思っています。

 

当時教えていただいたことは忘れずに、しかし再会は叶わないかも知れないとも思いながらも、それでも自然のことを知り、学ぶ、確かな起点となった出会いがあったことを今はとても感謝しています。

 

当時の多くの努力が実って残されたこの森や、様々な場所の自然と共にこれからも歩いていきたいと思っています。