もり~ゆ 野巡りの日々、第3章

身近な場所を始め、自然のことなどを書いていきます。

多目的屋内施設整備基本計画中間報告案に関するパブリックコメント(提出分全文=3通分、公開します)

昨日(7月16日)までに提出したパブリックコメント3通分の内容を公開します。

*一部やや間違いありますが、まずはそのまま出します(加筆修正部分は色文字で付け加えます)。

多目的屋内施設整備基本計画中間報告案に関するパブリックコメント

1通目

変わらぬ問題
 ・市民に事前の意見も聞かず恣意的な検討方法でいきなり2022年5月30日に従来のままの多目的屋内施設(新アリーナ)計画が出されたこと。
 候補地を複数検討したとは言うものの、選定は民間企業に託し、豊橋市民の幅広い意見を聞いて行ったものではないこと。

・偏ったヒアリング、足りなさすぎる市民合意・説明会
 説明会はこれまで八町校区市民向けしか行われておらず、当日八町校区以外の豊橋市民の参加は断られている。本来は複数回は説明会開催を豊橋全市民向けに行うべきである。または公聴会を募って開催するべきでは無いか。
 ヒアリングしたスポーツ団体等は全てでは無いことと、アリーナ豊橋公園内建設前提の方面からでしか行われてはおらず、本来は豊橋公園が適地なのかについてもヒアリングに含めるべきである。

・ワークショップの実際について。
 2022年に3度に渡って開催したワークショップでは、推進の立場と反対の立場のそれぞれの意見があった。中間報告案にはその実態について恣意的な解釈にされているので反対意見についても盛り込むべきである。

・候補地になっている豊橋公園の樹木の大規模な伐採は避けられず、公園全体の生態系への影響についての審議はされていないこと。
市の環境部で稀少種に対する検討は行われているが、豊橋公園西側・東側全体に渡る自然生態系に対しての検討は行われていない。計画に伴い予定地域の樹木はどれくらい伐採されるのか、予測を立てて妥当かどうか諮るべきでは無いだろうか。

・樹木伐採によって起こるヒートアイランド化の影響についても審議は無いこと。
SDGs未来都市であるはずの豊橋市で、市の中心的な場所でもある豊橋公園がその理念に逆行する形になってしまうのは懸念される。植栽は今現存する大木ではなく、若木になるものと思うので、現在の樹木が果たしているヒートアーランド防止と同じ役割を果たすようになるまでには数十年はかかると思われる。
 駐車場予定地になっている現児童遊園には様々な樹木があり、中には2020年に指定されたばかりの豊橋の巨木・名木の一つ、豊橋市の中では最大であるカイヅカイブキも存在している。この樹の存続は保証されるのだろうか。仮に樹は残したとしても駐車場のためのアスファルト舗装などの整備がされることで枯死してしまう恐れも出てくる。移植案が出る可能性もあるが、移植後枯死の可能性も大きく、20数年前から既に移植での解決方法には疑問が出ている。

・以前払拭はされない、5000人規模のアリーナ運営に伴う交通渋滞問題や周辺住民の生活環境への懸念。
 市長は「懸案一気に解消」と強調されたとあるが、以前豊橋公園に5000人規模の施設建設を行い、観客誘致を行った際の過密化、車による交通渋滞や騒音などによる近隣住民が受ける生活環境への影響については考慮は何らなされておらず、懸案はこれまで通り持ち越しのままとなっている。

・駐車場不足の問題。
  400台の駐車場のみの設定でしかもアリーナ利用者の物では無いということなのでこれまで豊橋公園周辺で開催されたイベントのような不法駐車などが更に頻発することが予想される。

 

2通目

先回1083番目の意見として、この計画の変わらぬ問題、について述べましたが、今回は中間報告案で新たに懸念される問題について意見します。
新たに出てきた問題
・更にかさむ建設にかかる費用と赤字見込み
 野球場移転に伴い、事業費は当初の整備費100億円を倍以上の220億円見込みになるとしている。多くの市民が納得しておらず、充分な説明会も市民合意も無い中での巨額な事業費投入ばかりがなされていくことには市政のある意味懸念するべき事態と言え、現市長が選挙時に問題視していたユニチカ問題以上のゆがみを禁じ得ずにいる。

・6月2日の大雨災害で明らかになった防災拠点としての不安要素。
2022年11月に、アリーナ建設予定地が家屋倒壊等氾濫想定区域に指定されていた場所であったことが判明し、今年2023年6月2日に東海地域で線状降水帯がかかり大雨になったとき、その指定の意味を実感することとなった。豊川沿いは水があふれ冠水したことは言うまでも無いが、それに伴い国道一号線が大渋滞になるなど周囲の交通網にも影響が出ている。
 今回の中間報告で建設地となった野球場回りも大雨時には水はけが良い場所では無い。
 この場所に防災拠点としての建物建設が敵地なのであるかについては多いに不安要素がある。
 6月2日の大雨災害に関して、豊橋市の防災体制の杜撰さも浮き彫りになっていて、防災を考慮するのなら安易に立地に不安要素が残る場所に拠点を建てる以前に、市の防災体制のあり方をソフト面で見直すべきでは無いだろうか。

・新たに移転先となった野球場の予定地の津波想定区域への懸念。
 豊橋公園からアリーナ用地確保のため撤去した豊橋球場の移転先に、神野新田町三河湾沿いの地を予定していることについて、その場は避難困難地域、特定避難困難地域に指定されていることが後に判明して問題視されている。この件に関して、7月4日に市長定例記者会見で避難困難解消のため、シーパレスの他に市総合体育館、アクアリーナ豊橋も新たに津波避難ビルとして活用することと、移設先の地盤を最大3メートル盛り土、液状化体躯のための地盤改良をすることで安全確保できるとしていることを新聞で読んだ。
 しかし、避難所先に指定された3箇所は、いずれも野球場移転先よりも海に近い場所であり、豊橋アリナさんのYou tube第2弾では野球場移転先の方が海寄りだと分かったのでこれは間違い。しかし避難所先も海に近い位置にはあり、とっさに判断の際には、そこに向かう判断はしづらいと思われます。

しかも移動には横断している川の道路を渡るか迂回しないとたどり着けない位置になっている。避難の際心理的には津波が先に到達する場所に向かって移動したいとは思わないことと、実際に地震津波が起こった場合、道路が無事渡れるのか、また川の水も氾濫するかも知れず、実際に避難場所に移転地から時間内にたどり着けるかという不安要素が大きい。元々シーパレスは極近い位置にいる人の緊急避難利用の想定だったと思われ、近隣に2箇所増やしたとして少し距離のある移転先からの3避難者を受け容れるのは困難なのでは無いだろうか。夜間や閉館日の施錠が地震の揺れを検知して開くキーボックス設置とあるが作動しない場合はどうするのか。
 野球場移転先の軟弱な地盤に盛り土をして建設することの技術面の困難や更にかかるであろう費用の問題もある。何より特定避難困難地域に3000人規模の野球場建設は「災害リスクの回避」から大きく外れることになりとても容認はできない。

 

3通目

先回1125番目の意見として、新たに出てきた問題について述べました。今回は豊橋公園は本来どうあるべきなのか、について意見させて頂きます。

本来考えて欲しいこと

豊橋公園豊橋市民の公有財産
 豊橋公園は吉田城趾の頃から始まり、戦時中は歩兵第18連隊の兵営地とされ、戦後現在の公園に近い形に整備されてきた歴史がある場所である。今吉田城趾保存計画があると共に、市の環境基本計画としてネイチャースポットの一つにも位置づけられている。更に街路樹保存としての先進的な場所としても知られていること、風致地区として景観保全のためのさまざまな決まりがある場所でもある。
 本来は特定の民間企業運営による利益や特定スポーツチームのためにある場所では無く、正に豊橋市民の公有財産、公共に憩いや歴史を学び、且つスポーツを楽しむ、そして都市公園としての持続的環境が保たれている場所であり、これからもその価値を守っていくべき場所であるはずである。
 採算面やアクセス面、不透明な計画、さらには野球場移設先の地震災害時のリスクの高さなど諸問題が山積してる現多目的屋内施設整備基本計画を拙速に進めることをまずは止め、今一度問うべきは豊橋公園のこれまでの歴史と沿革、そして豊橋市民のために何がふさわしいあり方になるのか、発端であった市の総合体育館の老朽・過密化問題と共に原点に立ち返って検証し直すことでは無いだろうか。5000人規模の縛りやスタジアムアリーナにこだわらない検証に立ち返るべきである。
 本計画地も再度、市民の意見も入れた上で、これまでの他候補地域(岩田運動公園・豊橋総合動植物公園・アイプラザ豊橋・高師緑地・その他の検討候補地)を検討し直して欲しい。

豊橋公園についてのあり方を市民みんなで考え決める機会が必要
   その上で、豊橋公園の自然環境・歴史・市民がこれまで利用してきたスポーツの場(特定のスポーツチームや特定企業だけの利用では無い)・公園西側と東側をつなぐ街路樹などの緑の回廊、といった要素を含めた、豊橋公園を一つの公園として、幅広い有識者や市民、専門家などによる検討会のような機会を設け、この場所のあり方や運営は市民と市との協働で行っていく方法が望ましいと考えている。真の文化的な豊橋市、持続可能な都市、そしてこれからのグリーンインフラの先駆例として歩むのならば、日本全国の都市公園で問題となっている再開発と民間企業利益主導による運営に倣うのではない、公園のあり方を打ち出すことこそ豊橋の真のポテンシャルを引き出す機会にならないだろうか。
 拙速な業者契約ではなく、まずは市民との公園に関する協議の場を、市のスポーツ部や公園緑地課、環境部などの管轄を超えて設けることが筋道であると考える。