もり~ゆ 野巡りの日々、第3章

身近な場所を始め、自然のことなどを書いていきます。

池の危機~水草とトンボの仲間が見られなくなってしまった。

先に書くのがこちらになりました。

ここ1,2年で、近所の池で心配なことが起こっていることについて書きたいと思います。

近所には普段は見に行かない2箇所、廃止検討されている1箇所の池を含めると、10箇所もの調整池、ため池と言って良いのかな、があります。町内でこれほど池が集中している所も無いかも知れませんね。毎回7箇所の池を巡るコースでご近所を歩いています。

発端

これまでも多い少ないはあったものの、各池にはヒシが見られていました。

2019年8月21日N池。

2019年9月12日のN池の様子。

こんな感じで、時には画像のような外来オオアカウキクサが出たりしつつ、真夏にはヒシが池の水面一面生い茂っている状態にもなっていました。

所によっては外来の水草(オオフサモ?)らしきものも見られていました。

水草のことは、実は余りよく知らない・・・。

気になる出来事があったのはこの上の画像を撮った2019年の丁度この9月の終わりぐらい?だった頃からでしょうか?

ヒシが流される?などしてどんどん減っていった感じがしたのでした。その頃はそれがさほどとも思わなかったのです。

所が・・・。

2020年8月7日のN池の様子。

翌年の2020年、目をこらしてもヒシが出てくる様子は感じられない。これはこのN池だけでは無く、廻る各池で共通してみられた出来事で、何故だろう?と思っていたのでした。

気になりだしたのは、実はヒシを見てでは無くて、このトンボの異変に気付いたことから。

2019年7月17日N池で。

チョウトンボ。

自然に興味を持ちだした頃、憧れのトンボで、その頃は幻的存在でした。海上の森周辺で生きている姿を見て感激。お隣県の桶ヶ谷湿地まで行かないと会えないと思っていましたが、何と近所でもいたことを知って感激。生物暦観測種として毎年現れる日がいつになるのかを確認していたのでした。夏に出会うことがとても楽しみだったトンボです。

そのトンボが突如、2020年になってから一向に現れない・・・。

ようやくその年、M池でたった1頭現れたのみでその年は過ぎてしまい、そして2021年には1頭も近所では確認する事はありませんでした。

2019年、確かになんだか少なめな感じはしていましたが、思えばそれは予兆だったのでしょう。

かつてM池をバイパス道路が通ったとき、激減したことがありましたが、今回はそれよりも深刻です。

そして・・・。

2019年7月17日M池で。

ショウジョウトンボ

雄の全身が真っ赤なトンボ。赤トンボの仲間とは違うグループです。

このトンボも、2020年にはまだ姿を見ることができていたのですが、2021年はチョウトンボと同様に、全く姿を見せることはありませんでした・・・。

両トンボとも、ヤゴの頃を水草で過ごすトンボで、水草のある環境で無いと生きていけないトンボ。

 

ヒシが無くなった池では、生きていけなくなってしまったのでは無いかと思います。

今年O池脇にあったオオフサモ?らしき水草も今年2022年見当たらなくなっていたことに気が付きました。

今年は近所の報告でも書いていますが、大きい方のS池にヒシが出始め、10株ほど確認、様子を見守っていましたが、6月10日現在、1株に減ってしまっていました。

 

同じ現象は他の場所でも。

どうしてこんなことが起こるのか、最初は分からず色んな方に質問してみました。

そのうち、東三河の他の場所の池でも同じようなことが起こっているらしいことが、東三河野鳥同好会Fさんや、自然観察指導員のNさんからも聞くことが出来ました。

そういえば、最近チョウトンボ見ないね、とも。

いつ頃からこのようなことが起こったのか、詳しく今後尋ねてみたいと思っています。そしてどうも他地域でも起こっているらしい・・・。

 

要因は何か?

博物館の方2名の方に訪ねてみたり、友人で自然に詳しい方に聞いてみたりして、要因になりそうなものに、

一つとしては、農薬が流れ込んだのでは無いか、というのと、

もう一つとしては、このところすっかり各地で問題視されている外来種ミシシッピアカミミガメアメリカザリガニ、コイが池の環境を変えてきてしまっているからでは無いか、という事が挙げられました。

まずは、

ミシシッピアカミミガメ
私がここに来た当初から、U川やその周辺では姿を見ていたのですが、今ほどの数は見られませんでした。

当初見られるカメと言えば、ニホンイシガメが主だったのです。

それが、

 

2009年5月8日に野生状態で子ガメが見られる。

2つ前の旧ブログ画像から。子ガメが外で見られたのは初でした。

その後、2011年~2012年辺りから、近所での増加の勢いがこれまでよりも増してきて、その頃から、

2020年3月19日の様子。

こんな風に各池の水面をミシシッピアカミミガメが多数浮かんでいる光景が日常として見られるようになってしまいました。

今では子ガメの姿も当たり前のように見られています。

この記事を先に書こうと思い立ったのは、こちらのニュースが流れてきたため。

news.yahoo.co.jp琵琶湖でもミシシッピアカミミガメが増えてきたのか・・・。

そして記事でも、ここ10年で増えたと有り、やはりこの10年間で彼らが急速に増え出したのかな、と感じています。

今では水辺に当たり前のように見かけますね。

彼らの食性は雑食、何でも食べるそう。ですが、成長すると草食が主になるとのことです。

また、環境省のサイトでは水草を食べるとも。

・・・となると、近所でこのカメが増えだして今で丁度10年くらい、草食が主なカメが増えてきたので、水草も食べ尽くされた可能性も充分考えられますよね(しかも寿命は40年!!);

「アカミミガメを知ろう!ワークブック」

https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/akamimigame06.pdf

このカメが生態系に与えた他の影響としては、

私がここに来た頃はカメと言えばこのニホンイシガメが主であって、卵から孵った子ガメ達が群れを成して歩いて行く姿も見られたのですが、今はミシシッピアカミミガメに押されてか、ニホンイシガメの数は少なくなった、または見かけても、成体ばかりで、子ガメの姿は殆ど見ることが無くなってしまったのです。

更に、

カイツブリが、営巣のため浮巣を作ると、甲羅干しの場としてアカミミガメが次々上がって占拠してしまい、カイツブリの営巣・子育てが出来なくなってしまうと言われています。

身を隠し、日陰にもなる場所のヨシや池の周りの林などが少ない池だと浮巣も日当たりの中で作られ、格好の甲羅干し場になってしまい、そのためか、近年カイツブリの数は減少しているそうです。

近所はまだ、去年までの所無事に子育ては出来ているのですが・・・。

アメリカザリガニ

これも私が子どもの頃から既に身近な自然の場には馴染んでいる生き物なのに、最近問題視されています。

このアメリカザリガニも、池の水草を切ったり、食べてしまったりするようです。

田んぼやその水路などでは余り見ることが無かったので、多くは無いのでは、と思っていましたが、

校区小学校の人工池には沢山いるみたいであるし、

大きなS池で繁殖するカイツブリの主食は、、何とこのアメリカザリガニばかりなのを見ることができています。つまり結構な数がいることになります。

池の外来種駆除で、オオクチバスコクチバスブルーギルなどを駆除したはいいが、それをしたら今度はアメリカザリガニが増えてしまったというケースもあり、同時に駆除しないと行けないようです。

www.env.go.jp

しかし、カイツブリが今繁殖の中主食がこれだという現状、悩ましそうです。

コイ(水槽の一番上に写っている大型の魚がそうです)。2014年1月21日に、たまたまご近所巡り中に、豊橋市でN池の外来種調査を行っている様子に当たり、その様子を撮影したのでした。

今までは、池にいることが奨励されている向きがあったコイ。実はその殆どが中国産の外来種で、そして池の中の泥を巻き上げて水を濁らせて環境を悪化させる要因にも成っている事が最近知られているようです。これも水草が生息できない要因の一つらしいです。

*この当時は在来種扱いされていたと思います。

 

尚、今回の水草減少の要因では無いですが、問題視されている外来種としては、

ウシガエルがいます。

これも子どもの頃からすっかり馴染んでいるのだけれどなぁ・・・。

因みに、秋になるとトノサマガエル大くらいのカエルが時に多数、側溝の中を飛び跳ねている様子に出会うことがあります。

未だ何も分かっていない私、それまでトノサマガエルだとばかり思っていて、そんなに減ってないじゃん、と思っていたのですが、

実はこれが全部ウシガエルだった;

*トノサマガエルは側溝に入ったら逃げられないみたいです。



これらの中で何が一番水草やトンボの仲間を追いやっているのか、全てなのか一部なのか、分からないですが、やはりこんな状態が起こっていることは伝えていかないといけないのではと思うのでした。

原因究明と解決方法で良い対策は無いのでしょうか?

*追記:豊橋市ではミシシッピアカミミガメをカゴ罠捕獲、そして凍死させて駆除する対策を準備中だとのことでした(6月14日市議会一般質問議員質問の場で環境部長さんが答弁されていました)。