9月7日(土)に、「○月○日、区長になる女」午前の部の上映会と、夕方の内田聖子さん講演会に参加してきました。
昨日は杉並区長選挙に立候補して見事当選された岸本聡子さんのドキュメンタリー映画「◯月◯日区長になる女」を見に行きました。#つじ恵 と岸本聡子さんの選対本部長を務めた #内田聖子 さんとの対談に #長坂なおと 豊橋市議も参加しました。… pic.twitter.com/E8hMNiivEP
— すがや竜 豊橋市議会議員 れいわ新選組 菅谷竜 (@sugayaryu) 2024年9月8日
以下は映画を見て感じた私個人の感想です。
・監督ペヤンヌマキさんの言葉
去年の2023年辺りから、アリーナ問題についての市民グループLINEでこの映画の情報が出てきたと思います。そして今年のロッシェル・カップさんの講演会準備の段階で、上映会開催のお話しも具体化していました。チラシも出来ていて、そこに今回の映画の監督を務めたペヤンヌマキさんのメッセージを何気に読んでからが私自身としては関心の始まりです。
「本当は、猫とまったりお昼寝したり、お気に入りの川沿いを散歩してバードウォッチングを楽しんだりしていたかっただけなんです。」と。
このあたりは私も本来はのんびり自然の中を歩いていたいだけなので、共感が持ててしまいました。
しかし、黙っていたらその生活が奪われてしまう・・・。
知ったのが、体調不良の際に診てもらいに行った診療所が、計画されている道路建設が実行されたら診療所やご自身の家が立ち退かなければならないことをそこで初めて知ったことから・・・。
そのことをきっかけにお住まいの杉並区の行政のことについて知り、現職区長への期待は望み薄く、やがて杉並区長選挙に市民サイドが立てた立候補者岸本聡子さんの選挙活動を応援のために自発的にカメラを持って参加するようになったのだそうです。
・豊橋の現状とも重なるものを感じた
映画が始まって、ペヤンヌさんが散歩している目線で映し出される杉並区には、心安らぐ緑地が広がっていました。
そして杉並区のシンボルツリー的な存在のメタセコイヤの巨木。
しかし、かなり昔から計画されてきていたという道路建設の動きが有り、実施するとなると、計画ルートの民家が立ち退きをしなければならなくなり、そしてメタセコイヤの巨木は切り倒されてしまう・・・。
他にも児童館廃止の動きや施設利用料が他の区よりも高いなどの諸問題があるようです。
これは、、、今の豊橋市とも重なるものがありますね。
豊橋公園のアリーナ建設問題に伴う、自然環境や文化、市民が使うスポーツ施設の実際の利活用問題、
そして最近説明会が行われたという、二川校区を横切り、立ち退きの可能性と山を削る恐れの高い、浜松湖西豊橋道路の問題が今の豊橋にもあり、他にも市の公共施設のお金が廻らない問題など、杉並区のことは他人事では決して無いことが見えてきました。
・センセーショナルでは無い市民活動
次の区長に、女性で、区民のための区長にと、岸本聡子さんが立候補することになり、市民の力で応援していく活動の様子が映し出されていました。時には方針の違いから意見をぶつけ合う場面もあったり、なかなか方向性がまとまらない場面も見られました。
しかし、活動している市民の皆さんの活動は皆、自分たちが住んでいる暮らしを守るという思いから、地べたからの湧き上がる思いから来ていることが分かり、選挙の応援や街宣、そしてインタビューに応じる姿からは、声を勇ましく張り上げてアジテーションすると言ったようなセンセーショナルなものではない、穏やかさも感じられた気がします。
岸本さん自身が悩みながらも「市民活動の大切さってすごくわかる。」と語っていたように、市民活動や政治に関わる動きは決して軽んじて良い物では無いでしょう。ただ、
続けて行くに当たって活動者自身は常に自問自答は要るのではと思います。
ここ豊橋でも、名古屋にだって、東京でさえも市民活動を遠巻きに見ている、時に触れたがらない人はいるのだろうと思います。私の身の回りでもそう感じている人はいると思います。でも一緒に活動はいないまでも理解はあって欲しいとも。
私は、市民活動は決して「目立ちたいだけから」するものではないと見ていて思います。まぁ、あまり地味なアピールは注目して貰いにくいという面もあるのですから。この辺私は苦手な領域なのですが;
各自が自主的に、「一人街宣」はじめたり、カメラ回しながら語り合ったりする姿は意義がある。そして自然体であるのが感じられる。
90歳過ぎのご婦人が道路建設についての異議を訴えるウォークに参加する姿はその流れの、かけがえのない一つだとも思います。
・選挙は続くよどこまでも
そして投票日。何と3期続いた現職にわずかながらも187票差で勝利!!その後応援していた市民側からもそれぞれの党派から区議に立候補して当選!!皆女性で、杉並区に新しい風が。
しかし、「これで終わりでは無い」そして「選挙は続くよどこまでも」。
民主主義を勝ち取るのには、常に声を上げていかなければならない、そして次の選挙もある。
夕方に参加した、当時の選対本部長であった内田聖子さんのお話に寄れば、当時岸本さんは泡沫候補としか見られていなかったこともあって、活動がその分しやすい面もあったけれど次はそうはいかないだろうとの事でした。
また、区議会はこれまでの自民党などからなる保守勢力が多い中、様々な逆風があり、岸本さんはじめ、新たな区議になった皆さんはとても大変らしいです。
様々な保守層からの圧力は「市民のためとは思えないような内容で」来るのだそうです。
当選後も廻りの市民がいかに支えていくかが課題なのかな。
選挙の争点の一つともなった道路建設問題は、国も関わっているため、完全に息の根を止めるのは区長が岸本さんになっても難しく、「塩漬け」状態を維持するしか無い現状であることを内田聖子さんが話されていました。正に「終わりじゃない」。
・岸本聡子さん
とても爽やかで気さくそうな、しかし聡明な方だなと思ってみていました。
初登庁が何と自転車に乗って登場!!
最近わざわざ公用車を高級ワゴン車に変えた豊橋現市長のことを思うとこの違いは何なのでしょう。尤も、浅井氏は元から市民派だったわけではないのですが。
公式サイトなどでの仕事ぶりを見てみたところ、市民のための区長、というあり方を忘れてはいない仕事振りが伺えて好感が持てそうです。
このあたりも豊橋現市長とはあまりにも違いすぎる。
・樹に代わって声を届ける
私個人がとても気に入った場面はやはりここ。
「樹は意見を言えないので、樹に代わって声を届けます」とメタセコイア大木のそばに住む住民の方のお話しが良かった。
人も自然も廻りの生き物も共に生きていける、そんな地域でありたい。
映画の最後では、そのメタセコイアが杉並区を見守っているかのような場面であったのもとても印象的でした。
さて、11月に控える豊橋市長選挙の行方はどうなるのだろう??
豊橋の皆さんはこの機会を真剣に捉えて考えていって欲しい。