そしていよいよ7月6日(土)、豊橋市民会館リハーサル室での講演会!!
講演会には会場参加60名、オンライン参加80名、併せて140名のご参加、ありがとうございました!!
最初に、あいさつと、主催者としての「みんなでつくる豊橋」の説明(行政にお任せではなく、豊橋について一人一人が考え行動する有機的な集まり)があり、本講演会後に予定されている勉強会や上映会の案内をした後、
豊橋公園についての10分の紹介を私urikaedeが話しました。
(以前に、2回目の住民投票を求める署名活動の際にインスタグラムで投稿した「WEB版豊橋公園ツアー」で作っていた画像等やFさん追加の画像を編集した物でした。)
そして、ロッシェルさんの講演です。
まず、ロッシェルさんの自己紹介。そして神宮外苑についてオンライン署名など再開発の見直し運動をすることになったいきさつについてなど。
全国各地で脅かされている日本の樹木の問題について。
公園の再開発や、メガソーラー建設に伴う山の樹木の伐採、街路樹で最近起きている強剪定、昔から計画されてきて見直しのないまま進められている道路建設に伴う伐採等。
環境破壊をし続けて経済発展しようとする日本のあり方におかしいと話していました。
東京の明治神宮外苑再開発計画でどう変わってしまうのかについての説明です。
この問題は単に樹木の問題だけに留まらず、計画について住民・市民に充分に事前公開や説明会を行わず、既に大旨決まってしまってから一方的に公開される、民主主義に反する問題であること、市民が使いやすい施設をリノベーションして使うのではなく、再開発後高い料金で民間運営していく事への疑問など多岐にわたること、そしてこのことは明治神宮外苑だけではなく、他の東京や、日本全国の都市公園に起きている共通の課題であることが、多くの人のお話しを聴いて分かったと言うことでした。
問題が起こっている各地の都市公園例には、豊橋公園の事も、そして現在はとても公園とは呼べない、ショッピングモールさながらになってしまった名古屋市の久屋大通公園の例も挙げられていました。
背景には、公園などの広いスペースは、開発側には用地を取得しやすいおいしい場所であること、政治家は、緑地の維持や施設の修繕には興味が無く、何かハコモノを作る事が実績だと考えてしまうこと、樹木の移植は簡単にできると思っていること(実際には上手くいかず枯れてしまうけれど伐採は都合が悪いので免罪符として行われています)、樹木のヒートアイランド防止などの役目を果たしている価値を理解してないこと、公園の人々が静かに落ち着いて過ごせる場としての価値を理解していないこと、
そして公園などの公共的な場所を民間企業の運営に任せて利益を得ようとするPark-PFIの手法は、以前はイギリスで提唱されてきたけれど、上手くいかなかったのでイギリスでは使われなくなってきていること、
日本政府による(過剰な)スタジアムアリーナ計画の実態。
日本のマスコミはこの問題を報道しない・・・。
そして、
サザンオールスターズが最近発表した曲のフレーズ「いつもいつも思ってた、知らないうちに決まってる」の通りの市民不参加のプロセス・・・。
ロッシェルさんの母国アメリカでの開発に際してのプロセスについての紹介がありました。
事前に環境アセスが行われ、ロッシェルさんはじめ市民が影響についての意見を出したところ計画が断念されたそうです。
日本の環境アセスメントは、計画が決まってから行うので、環境への影響の回避には実際にはなりにくいのですが、アメリカでは計画を決定する前に行われ、市民の意見も聴き反映、それによって計画の決定や撤回が行われるという根本的な違いがありました。
他にも、公園を作るという話があった際に、市民からどんな公園を作って欲しいか意見を集めたところ、「くつろげるスペースが欲しい」という声が大きく、それを反映した公園作りになったそうです。
他にも、植樹を多く行っていること(日本ではこの植樹もともすれば開発の免罪符変わりだったり、わざわざ元ある自然の植生などを伐採してその地にない樹を植えるなどの問題があるのですが)、街路樹は、日本のような枝を切り詰める強剪定ではなく、通路を覆って木陰を作る樹冠率を上げていく(30%の達成を求める)という動きがあるとのことです。
これまで日本の再開発危機があった都市公園でも、京都府立植物園のように市民の働きかけで計画が断念されたりして守られ、成功したケースも出てきているそうです。
私達は何が出来るのか?
反対の声を上げる、SNSで発信する、若い人の運動の参加を、
そして選挙には投票しましょう、とのことです。
(東京都知事選でも多くの声が上がったのですが・・・。)
各地の都市公園や緑地を守るための動きはこれからも続きそうです。
続いて、再び豊橋からは、新アリーナ問題に関して誰よりも市議会の中では意見や質問を出されている長坂なおとさんから。
長坂さんからは、新アリーナが、現市中央体育館に次いで「第2アリーナ計画」とされた頃の計画の時代から、前佐原市長による豊橋公園でのネオフェニックスホームアリーナ計画、そして現浅井市長が見直しと表明したはずの公約を破って再浮上した現アリーナ計画についての変遷、
そして建設にかかる諸費用と赤字運営の問題、
豊橋で急速に起こっている少子化問題、そしてその次の世代にのしかかってくる税金負担とそれに見合わないアリーナ運営、吉田城復元計画が出来なくなる計画の整合性に欠ける事、
そして、
最近出された入札業者側からの計画図についてと、建設されるアリーナの大きさについての説明がありました。
これにはロッシェルさんも身を乗り出して見ていましたね。
その後の質疑応答では何人かが発言され、内容によってロッシェルさん、そして長坂さんが応えられていました。
全体的に、これまでの切り口とは違った、しかし問題のベースとなっている背景についての分かりやすく、且つ多方面の課題があることが分かる内容となり、参加した方も熱心に耳を傾けている様子が良くわかりました。
長坂さんのお話も相まってそれが一層深まったと思います。
今の豊橋市に必要な内容が沢山ありました。
参加者の方にも、運営しているこちら側にとっても、学びの多いとても良い講演内容になることができました。
ただ、残念なことですが、オンラインでの配信が不具合があり、スライドが見れなかったり音声が聞き取れなかったりしたことがあり、録画配信もこのままではできない状態であることが分かりました。
オンライン申し込みした方には後に連絡があると思います。申し訳ありませんでした。
*なるべく講演内容を大まかですが伝えてみました。
続きます。