もう少し、賢治さん繋がり。
昨日の9月23日は、豊橋自然史博物館第38回特別企画展「キセキの結晶・鉱物」の最終日でしたので、観に行ってきました。
ボランティア研修で1度、ボランティアの合間の説明会参加で2度、今回で3度目。
様々な鉱物の日本を代表するもの、大きな結晶、日本や各地域の特徴付ける鉱物、鉱山のこと、誕生石や宝石など、結構豪華な展示でした。
日本式双晶水晶。
日本の刀のような輝安鉱は海外で人気だそうです。
日本で有名な鉱山が地図上に記載された展示もありました。親戚が見える岐阜県飛騨市の神岡町の神岡鉱山も確かにあるのを確認。
光の当て方で発色したり、色が変わったりする鉱石、誕生石の数々、ダイアモンドはカットの仕方があったり、アンカットならではの良さのコンテストがあったりするようです。展示ではダイアモンドが人気が高かった模様。
巨大なアメジストドームも迫力ありました。
さて、しかし、私的にやはり今回しっかり見に行こうと思ったのは、やはり、
宮沢賢治作品に現れた鉱物のコーナー。
これは、「ガドルフの百合」に出てくる建物の形容が電気石に似ているという事のようです。
詩や作中に良く登場する鉱物達。クジャク石は綺麗だねぇ・・・。良く空の形容に使ったみたいです。
そう、「貝の火」の石について。貝化石がオパール化が展示されていたので、「あれ、ルビーじゃ無かったんだな。」と気付いたのでした。石の中に燃える炎=赤、のイメージでルビーとばかり思っていました。
一番下の画像にある本によれば、オパールは手入れを怠るとひび割れたり曇ったりしてしまう生き物のように変わってしまう性質を賢治さんは気に入っていたようです(乾燥や熱に弱い)。
持っている者の心がけを怠ると貝の火はやがて曇ってしまう=オパールの性質に掛け合わせた物語だったわけですね。
今回特に注目はこちら。
「楢の木大学士の野宿 2夜」で登場した喧嘩したり風化してお腹が痛いと泣いていたりした鉱物さん達の展示です。
実際に古い文庫本を掘り出して持参、その物語を見ながら展示の鉱物を見てみて、どの鉱物さんがどの鉱物さんと喧嘩して、そして次第に皆風化によるお腹の痛みを訴えていく様子について知ることができました。なるほど~。
物語ではこれらの鉱物達が固まって出来た小さな花崗岩の中で起こった出来事が描かれていました。花崗岩も展示してあったら分かりやすかったかな・・・。
特別展では、準備の様々や展示作業、解説と、目に見えたり見えないところでの作業で大変だったことと思います。学芸員や事務員の皆様、それから関わったボランティアの皆様お疲れ様でした。
前の記事にも紹介しているこちらの本にも、宮沢賢治ゆかりの地質や鉱物についての紹介が載っていて、この辺が今一つ苦手な人にも分かりやすいと思います。
まだ入手可能ですので、機会あれば手に取ってみると良いですね。