もり~ゆ 野巡りの日々、第3章

身近な場所を始め、自然のことなどを書いていきます。

「自然再興(ネイチャーポジティブ)時代の生物多様性と経済」(フォーラムに参加)

1月21日。

この日は住民投票を求める署名提出後のアリーナ問題についての集会もあったのですが、今回は表題のフォーラムの方を参加しました。

渥美の環境活動をされているCAEAのSさん主催。

今回の講師は、(公財)日本自然保護協会 道家哲平さんです。

国際自然保護連合日本委員会の副会長兼事務局長さんでもあって、国際的な環境の動きに関して色々関わって見えるようです。

 

Sさんは、近年世界的な動きとして、企業が環境破壊では無く、環境保全や回復に取り組む事で経済発展に繋げるグリーンインフラ事業に取り組んでいる事に関心を示されています。

このことは、今はあまり私は賛同はしていませんが、以前講演で見えた谷口たかひささんも話していたことでもあります。

今回のフォーラムは、正にその動きについての内容でした。

 

地球上にいる生物種数は未だはっきりとは分かっていないらしく、分からないまま絶滅が起こっている可能性もあるそうです。

 

近年、生物多様性の危機や損失が進んで、日本では、ニホンウナギ始め、マツタケ、そしてアワビ3種もレッドリスト入りしてしまったり、世界の針葉樹の34%が絶滅危惧となったり、マルハナバチの25%が絶滅危惧→トマトやブラックベリーの受粉に影響が出てしまう(どうやら農薬の影響の可能性が)などと言ったことが起こっているようです。

稀少になっていないまでも生き物の数が全体減っている傾向でもあると。

 

生物多様性戦略国際会議はCOP10愛知として開催され、2018年から見直しのためのスーパーイヤーだったはずが、コロナの影響により4年間見直しが続いたその利点として、危機が寄り明らかにされてきたということらしいです。

 

政財界トップ層の意識も変化しているようで、自然が失われることで結果経済の損失が50%にもなると世界経済フォーラムから警鐘が出ているのだとか!

ビジネス側から、COP15で自然の評価や開示を各国首脳に対して開示すべきと提案をするようにまでなったようです。

企業側からの意欲的な働きかけへの目標設定の呼びかけも。

これには日本企業からも参加が有り。

 

生物多様性への配慮(マイナスをゼロ)から再生=ポジティブへの道筋へ。

 

自然を守ることで、自然からの供給サービスを守る(貧困撲滅、食料解決、健康)。

 

自然が好きな人だけの物ではない、グローバルな視点での(環境を守る)目標設定に広がっている。

 

生物多様性保全そのものが企業ビジネスのリスクを減らす。

 

等などいろんな面で進んでいる事を聞くことが出来たのでした。

 

では、課題は、日本では?

 

残念ながら、そんな世界の動きが、日本で、愛知で、東三河のこの地で浸透していると感じることはできないでいます。

例えば、環境危機に取り組んでいるイオンのウナギプロジェクトがあるのですが、私の家のそばのイオンのスーパーでそんな取り組みが紹介されていることは無く、また買い物客もそのことは知らないでいます。

 

私の住んでいる近所の農家のおばさんが生物多様性については知ってはいないものと思われ、木が枝が道にかかるので伐ってしまうとかの動きが続出している今。

 

また、各市での「SDGs未来都市宣言」がそれぞれの特色にも寄りますが、基本であるはずの自然系の取組がまだ弱いと道家さんは質問に対して話されていました。

 

日本での浸透が弱いことが課題であると。教育で教えていくことの大切さも話されていました。

 

普段の買い物客が持続可能な商品について当たり前に知っていること、近所の人が環境配慮についてごく当たり前に話題に出来るようになってこそ、初めてこうした取組が本物になってくるのじゃないかな、と言う気がしていますが、その道のりは近いのか、遠いのか・・・。

答えにくい質問してしまい、済みませんでした。

 

世界的なこの動きが、試行錯誤はありながらも日本にも根ざされていくことを願っています。