もり~ゆ 野巡りの日々、第3章

身近な場所を始め、自然のことなどを書いていきます。

生物暦をしてきて見えてきたもの。

2002年の夏から、尾張の自然観察指導員Sさんからの呼びかけによって、生物暦の記録集めを、Sさん管理されているメーリングリストに出し続けて今度の夏で調度20年になります。始めたのはまだYu-Yuさんが入園前の頃。

(本当に、ここでの今までの身近な自然観察などは、子育て期と共にあったと言って良いものなので、どうしたってその当時の子育てに関わる出来事と結びついて思い出されるのですよ。)

この記事ではその記録の中から、大まかに分かった流れを書いていこうと思います。具体的なデータは出さなくてご免なさい;

ただ、データ自体も厳密な研究報告に出せるような内容にはなりにくいんじゃ、と最近博物館の報告に昆虫類の論文寄せた友人の方(その方は学芸員資格を有しています。実際に勤務しているわけではないです)からは言われています・・・。むぅ・・・。

*元から厳密さは自信が無いことはまとめにも文章化してはあります。→そう、これまでのまとめにデータは網羅して記載はしています。

こんな感じの変化があったという様子を幾つかの種毎に伝えていきます。

自然観察や探鳥をしている人の経験則でも、なじみの花の開花が以前はゴールデンウィーク過ぎだったのに、もうその前に咲いちゃった、と言う話題が良く出るようになりました。ここではどうなのかと言えば・・・。

 

・ウグイス初鳴き

2005年から現在まで毎年観測。2005年~2018年までは大旨3月始め~中旬頃に初鳴きの記録がありました。2016年に1度、そして、2019年~2021年にかけて2月内での初鳴き観測が続くように。2022年は辛うじて3月1日の初鳴きでした。

 

・ツバメ初認

ツバメ

2003年から毎年観測。当初は大抵3月の終わり頃にこちらに渡ってくるのが慣例でした。2018年から3月中旬に渡ってくるのが見られる年が続き、今年2022年はこれまでの記録の中で最早の3月10日という観測記録となりました。

 

ソメイヨシノ開花

ソメイヨシノ開花。

2003年から毎年観測。場所もU町のU大池土手と固定された場所で観測(植物は他では標本木という指定はしていない事が多く、町内で見られる範囲内と言うことが多いです=厳密とは言えない理由の一つ)。

但し、2003年~2006年までは3分咲き等の記載で、開花記録としては2006年から。3月24日~26日辺りの前後で咲くという形で、一番遅かったのが2017年の4月2日、早かったのが2009年、2018年、2021年の3月20日になります。早い遅いの波を繰り返している感じかな。

 

・フジ開花

フジ

2003年から毎年観測。

2019年当たりまで4月下旬開花という様子が見られていました。その中に時折4月中旬開花の観測記録が時折あるという感じでしたが、2019年からは中旬が継続、そして2021年は1番早い4月10日開花の記録となっています。

 

・ウスバキトンボ初認

ウスバキトンボ

2004年から毎年観測。

6月下旬~7月初めの間で観測されています。

気になる記録があったのが、2016年と2019年で、2016年は何と4月24日と6月15日の、2019年は5月7日と6月25日のそれぞれ2度の観測が見られました。

春の時期に小数が現れている事象があったのです。

共に冬期が温かくて、ヤゴが越冬できたからなのか、それとも渡りが早かったのかのどちらかなのか、と気になった出来事でした。

 

キンモクセイ開花

キンモクセイ

2002年から、2004年空白を除いて毎年観測。

9月の終わりか、10月の初め~中旬頃開花ですが、2021年は最も遅い10月30日の記録有り。

特筆することとして、年によってはキンモクセイは2度開花することです。

2014年、2015年、2017年、2018年、2021年がその年で、1回目が主に9月末に少ない花数の開花が見られ、2回目で本格的に咲くといった感じです。

いつも自宅近くの会社の生け垣のキンモクセイを観測しています。

 

ツグミ初認(終認)

ツグミ

2002年から毎年観測。

11月中旬~下旬の間を年によって幅がありながら初認観測があります。

この鳥は年によって多く見られる年と少ない年があって、鳥を見ている人から良く話題になる鳥でもあります。

特筆する年としては、2005年で、この年、近所では全く確認がされなかったのでした。「どうしたのかな?」と思いながら過ごして年が明けた2006年、元日に近くの町内の神社に初詣に家族で出かけた折に「ケケッ」というツグミの声が!これが初認記録となりました。2006年の11月には普通に観測があります。2021年も11月30日という遅めの記録に。

大抵は、「今年はツグミ少ないのかな~?」と思っていても、2月になると地上を割りと近くで歩く姿が各所に現れることが多いです。

多かったのが2020年の12月にO池そばの電線当たりで30羽もの群れが見られたりしたときです。

さて、終認の日ですが、大抵は4月25日前後当たりが近所ではその時になりますが、今年2022年はちょっと早めの4月19日まででした。また秋に元気に帰ってきてね。

 

・コナラ黄葉

コナラ

豊橋南部のここは、例えば実家のある瀬戸市とのコナラの黄葉時期は1週間くらいは差があって、勿論遅い方になりますね。豊橋北部とも時期の違いが現れて、どうやら南部のU町~岩屋観音を境として~葦毛湿原当たりとの黄葉差があるという感じです。

2002年から観測しています。黄葉観測の場所は自宅向かいにあった林の樹で。2003,2004年は空白なのと、当初は樹上部のみの黄葉記録もあったりします。2005年から全面黄葉を目安に見てきていましたが、当初12月の10何日当たりだったのが、次第に20日あたりにずれ込んで来るようになりました。そのうち全面黄葉の観測が難しくなることに。樹上部は黄葉しきって散るほどなのに、下部ではまだ葉っぱが青いまま、という状態に。

2018年は台風による潮風の直撃が秋に有り、広葉樹の葉っぱがすべてそれで枯れてしまってほぼ観測不可状態(樹の一部のみで観測)といった事もありました。

残念なことにいつも観ていた樹は2020年に伐られてしまい、その後ろにあった小さめの樹を代わりに観ることとなりました。

*開花は別の場所の樹が主になっていて、本来は同じ標本樹で開花や黄葉を観るべきだったのでしょうね;

 

こんな感じです。

記録を取り始めの時、気象庁の設定のような決まりがあったわけではなく、また私自身もとりあえず始めた感じであったので、近所のU町(時に隣接のN町)での観測範囲内内で、といった記録となりました。

ソメイヨシノやコナラの黄葉など、特定の場所に定めた所もあります。

草花は、特定しにくいことが多い;刈られていたり、同じ場所のものがいつも同じような傾向で開花すると言うことが無かったりすることが分かりました。

今回はその中から場所がほぼ特定されているもの、そうでないけれど経年観測記録として観ていきやすい種に絞って載せています(報告でこれはしない方が良いらしいそうです・・・都合の良いデータだけ出した、になってしまうらしい、、ううううむ、です)。

 

こぼれ話

生物季節暦の記録として、集まりやすいものとしては、セミ各種の初鳴き、ヒガンバナ開花、キンモクセイ開花、そしてやっぱりソメイヨシノ開花になるかな~という感じです。

特定のフィールドでの経年記録を出しているのは、呼びかけたSさんと私のみですね。

Sさんは気象庁のデータとの比較も時折されています。

毎年は観測できなかった種もあります。

余りその気になって観れなかったものもあれば、対象種がいなくなってしまったという悲しい出来事もあったりします。レンゲ(正式名はゲンゲ)がそれで、恐らくチョウトンボもそうなってしまいそうです(チョウトンボに関しては池の危機というテーマで後日書きます)。

 

私のは、やや設定目標が厳密では無いものがありますが、その記録は定期的に回る時のものもあれば、日々のお出かけなどの時に見た記録も多いです。例えば、子どもが小さかった頃、用事で一緒に出かけるときに玄関から出た時聞いたツグミの声とか、友人を近所案内していたときの通りがかったツグミとか、園での運動会練習の子どもの様子を(園には許可頂いた上で)そっと外から観に行ったときに咲き出していたセイタカアワダチソウとか、子どもを春のキャンプに送り出して一人夕方近所の道をとぼとぼ帰っていると、ふと民家から飛び出したツバメで初認が分かったとか(今年は遅いなぁ、と思っていた)、、、こうした日常での記録が多いかな。これらの記録が認められるのかどうかは、見る方々の判断になるのでしょう・・・。

2016年までのそうしたデータをまとめてあるのが、こちら。。。

(もしも欲しい方見えたらコメントなどください、、、素人で出したものなのでツッコミどころがあるのはご容赦ください;;)

 

*厳密な報告論文に出す目的とかでは無いなら(一般の人は勿論、誰もがそうなのではないのですし;)こんな感じで皆さんも見ていくと良いのでは?種数は多くなくて良いし、身近な生きもののほうが良いですね。肝心なのは続けていくことが大事!になります。

気象庁の代わりに市民で始めたという観測方法など詳しいことが分かったら、また載せたいと思います。

 

*追記

Tさん、YOASOBIの「ツバメ」共に早速記事のリンク張ってくださってありがとうございます!!大好きです~!!