賢治さんの詩集(角川文庫版)は残りの文語詩を読むばかりとなりました。
賢治さんの詩ではあまりにも有名なのが「雨ニモマケズ」
そして「永訣の朝」ですね。
どちらも教科書で読んだことがあるのではないかと思います。
「永訣の朝」は最大の理解者だった妹のトシを悼んだ詩で、他にもその後複数の妹を想う詩が続きます。
そして、「雨ニモマケズ」・・・。
賢治さんの生きた道筋を想うと、その内容には凄絶なものさえ感じてしまう。
元々、こちらは詩として発表しようと思ったものではなく、手帳にメモ書きのように書かれていた言葉で、賢治さんの死後見つかったというものです。
書いたのが、農学校の教師を辞めて、羅須地人協会という農民のための集まる場を作ったけれど、稲の不作を救えず、農民の方の理解も得られなかったりして上手くいかない中、病に倒れた時期ですよね。
人に良く思われたいとか称賛されたいとかの気持ちはそこには入っていなくて、正に「慾ハナク」という感じでしょうか。
まあ、賢治さんも人間ではあるので、欲が全くなかったわけではないだろうし、そんな自分に煩悶していたのかも知れませんね。
仏教の教えを熱心に信じていた所もこの詩には影響しているのかも。
単純に品行方正な詩、とは言えないものがあります。
詩の後半にも、稲作の苦労のことや、自身の理想と、農家の方が自分を見る目のギャップの狭間に置かれている状況のことが分かる部分があったりします。
農家の人には、売り物にならないヒヤシンスや黄色いトマトを作るのが「きたいに」見えただろうし、給料をもらって仕事していた身で農業の何が分かるのか、と言った気持ちだったのかも・・・。
また、諸々のことは、全部作品読み終えたら書いてみましょう。
作った詩は未読なものも含めて結構多かったらしい。
角川文庫を今の家に持参したのは、単純に詩の数が多いからだったと思うのですが、元々読んでいた新潮文庫版にはあってこちらには無いものもあることがわかったし、新潮文庫の方がすっきりまとめて編纂されていた気がします。
探したい、無ければ買い直すか・・・。