もり~ゆ 野巡りの日々、第3章

身近な場所を始め、自然のことなどを書いていきます。

引っ張り出してきた資料

豊橋公園のどんぐりについて、ここで記事にしていて、また別のサイトで見て、シラカシは平地よりも標高のやや高いところにあるとあって、じゃあ、豊橋公園シラカシって元から生えていたのではないのかな?と気になり、引っ張り出してきたのはこの冊子です。

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「愛知県のブナ科調査樹木分布調査報告書」愛知県自然観察指導員連絡協議会

表紙絵はブナの葉っぱ。取りまとめた方(最初の頃お世話になったKさん)がブナに思い入れが強かったのもあってやはりそうなるのでしょうね。

豊橋に来たばかりの頃、この調査について行っていることを耳にしたのですが、報告書の形になって指導員協議会員の手元に来たのはそれから大分経ってからだったと思います(難航した様だと聞き知っている)。

 

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*だいたいの感じということで、開いた頁載せていますが、全部は写さないように部分のみ見える感じで載せています。

 

ここでの解説に寄れば、シラカシは標高10メートル~880メートルにあるとあり、豊橋公園のはやはり植栽だったのだろうなぁ、と感じています。同様にアカガシやツクバネガシなんかもそうなのかもしれません。

公園に一番多いアラカシは自生なんだろうね。

現在はフモトミズナラとなっている、モンゴリナラも載っていて、ここでは中国のものとほぼ一致説を取っています。当時はまだ正式名が決まっていなかった頃。現在は中国の物とは違う説が有力視なのだと思います。

名前が変わっても、思い入れは変わらないんだけどね。

 

分布メッシュも種別に載っていますが、全種ではないことに気づきましたし(除外した種は植栽の可能性が指摘のためだけど、ウバメガシが何故抜けているのだろう?)、改めてみて、もう少し本当はあるんじゃないの?と思うこともあったのと、スダジイ、ツブラジイ判別不明なので(実の頃にまで待って確認するまでいかなかったのでしょう)シイ類、としている項目もありました。

思うようにはデータが集まらなかったのかも知れませんね。

 

調査者のお名前では、取りまとめたKさんご夫妻、友人のIさん、そして他指導員さんの記載があります。お世話になって6月に亡くなったSさんの名もある・・・。

取りまとめた人がかつて所属していた支部だから、と言うのもあるかも知れませんが、尾張支部のかたが19名も見える!対して他支部は2名または3名とは・・・。

 

ある生き物の分布情報を寄せてもらうと言う手法ですが、こうしたことに関心を持っている人でないとなかなか集まらないんだと言うことは、自分がやってみても感じることではありますね。でもこういった活動は指導員らしい分野でもあるのですがね・・・。

*因みに非売品です。

同じ試み、今後あるとは思えないかな・・・。指導員ではなくて愛知植物の会では似たような取り組みを行っていると思いますが(ここでは標本を基準にしています)。

 

異論もあったりしましたが、やはりこうした取り組みが出来た人は数少ない逸材であると言えますね。一時期は見るのが辛かった頃もありますが(巻き込まれはあまりしなかったけれど関わりの中で色々起こったからなぁ、、、)、改めて目を通してみたいと思っています。

 

*余談

シラカシは、豊田市の小原村に自生がありますよ。去年町内のバスツアーで小原村の四季桜を見に行くのに参加したのですが、山の中に四季桜のそばにあった。そばの皆さんが四季桜の花を見て「綺麗だね~~」と言っている中、私だけは密かに「うわ~~シラカシだぁ~」と一人エキサイトしていたのでした(爆)。まだ豊橋に来る前は常緑のどんぐり苦手だったけれど、今は大分分かってきましたね。