もり~ゆ 野巡りの日々、第3章

身近な場所を始め、自然のことなどを書いていきます。

再びの、セイヨウオオマルハナバチ

近所では、これまでに過去4例、特定外来生物であるセイヨウオオマルハナバチの目撃記録があります。

このハチについて知ったのは、保全生態学で有名な、鷲谷いづみ先生が日本自然保護協会の会報か何かで呼びかけと注意を訴えていたのを読んだことからでした。

ビニールハウスでのトマト栽培時に受粉の役目をしてくれるということで、導入されていたのが逃げ出し、野生化して在来のハナバチたちの生息地を奪ったりする存在になることが懸念されていたのでした。

そんなことで気になっていた2000年のある日のこと、庭にいるのを見つけて「ここにもいるんだ!」と驚いた覚えがあります。特徴である白いお尻がはっきり見えました。

その後、時折目撃するも、捕まえるところまで行かず、

 

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2012年5月30日撮影

8年前の今ぐらいの頃、自宅庭に生えるクララ(家人が野外から種子を含めた何かを捨てたら生えてきた)の吸密に来ていたところをこの時も捕まえられなかったものの、当時のデジカメで撮ることは出来たのでした。大きさから行って女王バチかな?

ただ、その後は見ることもなく、2006年に既に特定外来種に指定されたこともあって、飼育はもうされなくなったんだな、、とちょっと安堵もしていたのでした・・・。

 

が・・・。

 

今年の5月23日。

このクララのあるところが家の居間の外側で、丁度パソコンでネオフェニックスなどのバスケチームのチアガールさん達の画像見ていた時ですよ、妙な金属っぽい羽音が聞こえてきたのは。

これはクララの花に来たハナバチさんだね、と窓から見たら、、小さいけれどお尻が白い!

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8年ぶりの2020年5月23日に現れる!

早速デジカメで撮ったけれど現在のデジカメ接写が上手くなくて(泪;)今ひとつ不明瞭です;

サイズから働き蜂で、脚には花粉袋もある、、もしかしてどこかに巣がある?女王バチではないけど捕まえるべきか、、と近づいたら逃げました;

その後も数回来たけれど、私がいると分かると警戒心を起こし、花の陰に隠れたり、すぐ飛び去ったりしてしまった・・・。

*クララの花は、ハナバチ達を呼びやすいらしいです。

その2日後の25日の夕方、洗濯物を取り入れていたら、庭の片隅で何かを探すように飛んでいるものが、、、別のセイヨウオオマルハナバチだ!しかも大きい。

 

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そして・・・。

 小学校クラブ用にと買っておいた100均の補虫網で何と捕獲成功!!

これまたクラブで使うために取っておいたブドウパックに収容。

さて、ここで最近使い方を教えてもらって知ったグリーンデータブック愛知で調べたところ、このハチの記録は文献上にはまだ無いことが分かりました。

良く26日に豊橋自然史博物館(丁度コロナによる休館から開けたばかり!)の昆虫担当のHさんに聞いたところ、もう豊橋当たりには結構いるらしいです;

確かに、豊橋の辺り、トマト栽培=特にミニトマト栽培があるので飼っているのでしょうね。このように今もまだ飼育されているようです。

野外で繁殖しているかどうかまでは分からないとのこと。

北海道では既に定着しているそうです。

家の庭に巣があったらどうしよう~~~;;駆除しないと;;

それに捕まえたこの子も、、、可愛そうですが逃がすことはできず。

冷凍庫に入れればすぐに死んじゃうよ、とのアドバイスでしたがそれもためらわれ・・・・・。

 

*因みに飼育には環境省の許可が要ります。特定外来は基本飼っちゃ駄目;農家に限って許可されているようですが、今後は在来のクロマルハナバチ飼育に置き換えていく計画を進めているそうです。

 

翌朝はまだ元気でしたが、お昼近くの気温が上がる頃に弱りだし、こちらが手を下すまでもなくお亡くなりになってしまいました。

使用済みのセイヨウオオマルマルハナバチの巣は、ビニール袋に入れて太陽の光で蒸せば駆除できるらしいともあり、ブドウパックの密閉空間で暑くなったので、このハチはこの蒸し暑さには弱いのかも知れないですね。北海道はそこまでの気候ではないため定着になってしまったのかもしれません・・・。

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何点か画像記録を取りました

折角の死を無駄にしないためにも、、、絵も描きました。ハチから見たらいたぶって鬼畜と映ったかも知れないなぁ・・・。

全長2センチ、やっぱり女王バチですね。

姿形は可愛いのですが、日本には本来いては行けない種。20年前から鷲谷先生が警告していたのに効率性や経済性を生態系よりも優先させて来てしまったんですね。

記録や文献に残すことも大事だけれど何よりも外来種防除(セイヨウオオマルハナバチの飼育を完全にやめる)の方こそ進んで欲しいと思うのですが。

北海道では駆除活動が行われているそうです。

彼らもある意味人類による被害者ではあるんですよね。本来悪者にされる筋合いはなかったのですから。

 *環境省農林水産省によるPDF

https://www.maff.go.jp/j/chikusan/gijutu/mitubati/attach/pdf/index-9.pdf