私にとっての日本のサクラは、何と言ってもあのサクラなのだ!!
私にとって、日本の山野に春を告げるサクラは、ソメイヨシノではないのです。
元々、古来の日本、ソメイヨシノではなかったのです。
元々この辺りの山野に自生としてあったのは、このヤマザクラなのです。
(ヤマザクラも、実は土地の境目を示すために植えていたという話も聞きますが)
山にあるから「ヤマザクラ」なんて、思っていませんか?違いますよ~。
ソメイヨシノは大旨、葉が出る前に花が先に咲き出します。見分けの特徴としては、赤い萼や花柄(萼の下にある茎のこと)に毛があることです。花びらもどことなくぽってりとした感じですね。
これに対して、ヤマザクラは、、
赤い新葉と共に花が咲きます。そして違いは萼や花柄に毛がないこと。そして花びらも全体にすっきりした感じです(個体差にも寄りますが)。
見比べると、ソメイヨシノは人の手で改良された品種だからでしょうか?綺麗ではあるけれど、茎の感じや萼や花柄の色合い、少々ふくよかな花びらなど、どうしても「俗っぽい」感じが否めないと思ってしまうのは私だけでしょうか?
ヤマザクラのそれは、何とも渋めな赤い新葉と控えめな花との調和が絶妙で、優美な感じがします。正に日本の山に咲くのにふさわしいと思ってしまいます!
そんなヤマザクラの開花が丁度見頃な頃に出会えたときの喜びは、代え難いものがありますよ。
フィールドの各所を巡るようになり、ヤマザクラの魅力を知ってからは、何本か花の頃に訪ねに行く樹ができました。この大木もそうですね。
丁度良い頃に、、と思って毎年行くのですが、時にはまだ咲いていなかったり、逆に既に花の頃を過ぎてしまい、葉桜状態になっていたり・・・。それだけに良い頃に出会えた喜びはひとしおです。
毎春の出会いに感謝しつつ樹を眺めながら、一人青空の下、お弁当を広げ、しばしの時を過ごす贅沢さ、これこそが、私の「お花見」なのです。
ねぇ、こんな風に沢山の花の下にいると、花々に見つめられている感じがします。
そして年数を重ねた樹には、なんだか「霊気」も持っているように思えるのです。
「畏敬の念」とはこういうところから感じる物なのかも知れませんね。
・・・と、所謂世俗的な「お花見」は実はあまり好きになれない私で、ソメイヨシノも周りが思うほどには好きになれない私(嫌いでもないです、念のため;)ですが、
日々の暮らしの中にひっそりと息づいているような、または昔から大事にされてきて残っているというようなたたずまいのソメイヨシノは好きですね。
で、続きは、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、いえいえ他にも実は日本にはサクラがあるのだということで。